金平糖の甘い罠
孤独感
 全て繋がった。
今までのモヤモヤした場面が、一気にフラッシュバックし、
 同時に、暗闇の中に突き落とされたような、そんな感覚に陥っていた。

 美代がゆっこから相談を受けたのは最近だったという。

「恵の旦那さんに堕ろして欲しいと言われたらしいけど、ゆっこは産みたいって言ってた。
恵にはなんて言ったらいいんだろうと悩んでた。
でも、きっと恵は何も言わないと思うって。
酷いよね。
ゆっこがそんな人と思わなかった。
恵に黙ってるのも辛かった。
本当にごめんね。」

「…」

「あと、なつも全て知ってると思う。ゆっこが自分でバラしてるらしいよ。
ゆっこ旦那さんと離婚したいって言ってたし、もしかしたら次探してたんじゃないかな?」

美代の言葉が頭に入ってこなくなった。
これが今現実なのかも分からなくなっていた。

「話してくれてありがとう。私も美代を少しでも疑ってしまってごめんね」

 そう伝えるのが精一杯だった。
 これ以上何も考えたくなかった。
 きっとマンションに帰ると真実を聞くことになるのは覚悟していたが、想像以上に辛くて衝撃的な出来事だった。
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