拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
昨日は須藤さんはそれをやめさせるために、電話をかけてきたのだろう。打ち合わせできてなかった先のパーツをやらせれば、吉田さんにチェックするのは厳しい。

結局週末までの間、須藤さんにスケジュール管理をがっちりやられ、かなり忙しくなってしまったが、週末は無事に休めそうだ。

金曜の夜、ようやく作業が終わり、パソコンの画面を落とし帰り支度をしていると、カバンを持った須藤さんが近づいてきた。

「お疲れ。今週悪かったな。ちょっと詰め込みすぎた」

「いえ。何度もチェックしていただいてすみません」

「いや、佐多が相当なスピードで仕上げてくれたから助かったよ」

私も帰り支度を終えて席を立つと、須藤さんが、じゃあ、行くか、と先に歩き出した。

エレベータホールにつくと、須藤さんがエレベータのボタンを押しながら言った。

「メシ、食ってく?」

スマホを取り出して時刻を確認すると、もうすぐ21時になろうとしていた。特にメッセージは来ていなかったが、浦橋くんから連絡があるかもしれない。

「今日は早く帰りたいので、失礼します」

須藤さんは、そっか、と頷き、エントランスに着くと、じゃあ、お先、と先に歩いて行った。
せっかく誘ってくれたのに、と思う気持ちがないわけではない。だけど、須藤さんと2人でご飯とか、食べた気がしない。


私は立ち止まり、浦橋くんにこれから帰るね、とメッセージを送り、駅に向かう。

最寄りの駅を降りると、ちょうど浦橋くんから着信があった。

「満里子?今どこ?」

「もうすぐ家だよ」

「そっか。連絡遅くなってごめん。今終わってもうすぐ会社出るとこなんだ」

「お疲れ様。毎日遅いね。大丈夫?」

「満里子こそ。明日会えそう?疲れてない?」

「大丈夫。明日どうしよっか?」

取り敢えず、どこかでランチしてその後のことは会ったときに決めよう、ということになり、電話を切る。

家に着き、明日浦橋くんと会えると思うとウキウキしてくる。
会いたいな、でもどうやって誘おうかな、と考えることもなく、こうやってすんなり誘い合えるって何かいいな、と思う。付き合っているという実感が持てるやりとりを思い出し、顔がにやけてしまう。

今週は仕事が忙しくてめげそうだったが、浦橋くんの声を聞いたら疲れが吹き飛んだ。早く浦橋くんに会いたい、と思いながら夕食もそこそこに早めに寝た。

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