拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
色々ありながらも、何とか順調に仕事をこなし、ここ最近では、新しく担当しているシステムを設計部の二人と順当に進めている。
仕事が順調な分、精神的な余裕もあり、最近では和美と久しぶりにごはんに行くこともできた。
和美とゆっくり話すのは久しぶりだ。
浦橋くんと別れたことは、前に電話で話してあった。
詳しい話をすると、そっかあ~、と言いながら頭を撫でてくれた。
「もう会ってないの?」
「会ってないし、連絡もしてない。その方がお互いのためだよ」
連絡を取らなくたって、しばらくの間は浦橋くんのことを思い出すと、もれなく松本さんの顔も浮かんでくる。二次会に行くときの着飾って並んでいる二人の姿が何度もチラつく。
あのまま付き合っていても、言わなくてもいいことを口にして浦橋くんを傷つけただろう。上手くいくはずがない。
「浦橋くんに甘え切ってる満里子を見てるの好きだったんだけどな~」
そういいながらグビグビっとビールを飲み干す和美は、ビールおかわりをして、相変わらずザルだ。
どんなに飲んでも全然変わらず羨ましい。
和美を見つめてると、そうそう、と思い出したように言った。
「かっちゃんのところに良く行ってるみたいだね」
かっちゃん・・・田中さんのお店か。
「浦橋くんと別れてから週1以上で行ってる。田中さん、話聞いてくれるし、優しいし、つい、ね」
「へえ。お客さんからは、冷たい、とか、不愛想、とか言われてるのにね。満里子は特別か」
「和美の友達だからでしょ」
「私にだってそこまで優しくないよ。イトコとは仲良いみたいだけどね。」
へえ。もしかしたらそのイトコさんは恋人なのかもしれないな、と密かに思った。
女のお客さんに話しかけられているところをしょっちゅう目撃するが、冷たくしているところも、不愛想に対応している感じもあまりしないが・・・そう言われているのはマスターから聞いて知っていた。
結局それから1時間以上飲んだが、和美は全く酔った様子もなく、私が乗る電話のホームまで送ってくれた。
和美は飯島くんが迎えに来るらしい。
二人の間では結婚の話も出ているそうだが、和美の両親がまだ早いと、良い顔をしていないそうだ。
もうしばらく先になるかな~、と、意外に明るい顔をして言っていた。