拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「友達?」

急に眉間に皺を寄せて睨まれる。・・・その顔は苦手だ・・・。ただでさえ強面なのに、間近でその顔をされると結構な恐怖だ。
「・・・・・」

「合コンってこと?」

「・・・3人なので、合コンではないです」

「何で3人?」

「何で、と言われても・・。須藤さんと和美と三人で行ったことあるじゃないですか」

一時期、和美と須藤さんも仕事上で絡みがあったため、和美と約束しているときに須藤さんから声がかかると最初はほかに数人いるが、その後3人で飲みなおしたことがあった。

不機嫌そうな顔を隠そうともせず、まあ、いいや、と言いながら席を立つ。

「来週の店決まったら連絡する」

「いつもありがとうございます」

須藤さんが探してきてくれるお店はいつもお料理やお酒が美味しいところばかりだから楽しみだ。

「佐多さん、そろそろ行きますよ」

木村君に声をかけられて、急いで片付けをする。須藤さんと話し込んでいて気づかなかった。とっくに定時を過ぎていた。

今日一緒に飲むことになった中澤君はお店に直接行くらしい。

二人で歩きながら、木村君に不意に聞かれる。

「佐多さんは、彼氏いない、でいいんですよね?」

決めつけるような言い方にカチンとくるが、本当だから仕方がない。

「うん、いない」

「好きな人は?」

「・・・いない」

「須藤さんとも何もないですよね?」

「・・・須藤さん?あるわけないじゃん」

「だったらいいですけど」

「何がいいのよ。そういう木村君は彼女は?」

「いないです。けど、好きな人はいます」

「・・・・へえ」

片想い、かな。それともお互い気持ちを伝えてないだけでホントは両想いとか。

牧野くん、元気かな。
今日のお昼、真田君から浦橋くんが結婚すると聞いたばかりだ。牧野くんも、もしかしたらもう結婚してるかもな。

それに比べて私は・・・・恋愛に関しては、本当にダメダメだ。
好きな人を作ることすらできない。

牧野くんを好きでいる間、私を好きになってくれることが叶わなくて苦しくなったときもあったが、牧野くんのことを思い出すだけでいつも心が温かくなった。
次に会える時のことを想像して、ウキウキしたり、楽しかった。
しかし、結果的に牧野くんは私を都合のいい女扱いしただけで、仲の良い同期以下だった。

浦橋くんと別れたばかりで、その前の過去をすっかり忘れていたが
私は学生時代に、何度か同じように男性に軽く扱われた経験があるだけに、もう調子に乗るのは辞めようと、改めて心に誓ったのだった。
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