拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
私がそう言うと、須藤さんはますます不機嫌そうに顔を歪めたが、柴田さんはニタニタと面白そうに笑ってる。

「仲が良いっていうより、コイツは俺に仮があるかな」

「っんだよ、それ」

と、ますます不機嫌そうに言い、それっきり黙ってしまった。
何となく私がいてはまずいのかと思い、それじゃあ、と頭を下げて二人に背を向けると、柴田さんが慌てたように言った。

「佐多ちゃん、気にしないで。コイツ意外にガキみたいなところあるから」

須藤さんがガキ?圧倒的なオーラでいつも自信満々な様子で、実際仕事もできる須藤さんにガキっぽい要素は皆無と言っていいだろう。
同期ならではの須藤さんとの付き合いの中で知りえる人格なんだろうか・・

じゃあ、またね。と手を振りながら行ってしまう柴田さんの背中に向かって、マジでうざい・・と声をかけるが、気にした様子もなくニヤニヤしながら行ってしまった。

私が先に戻ろうとしたのに、柴田さんがスタスタと先に行ってしまい、、結局須藤さんと二人でエレベータに乗ってオフィスに戻る。

「金曜日、サンキュな」

「こちらこそ、送っていただいてありがとうございます」

「・・・柴田さん、元気そうでよかったです」

あまり、入り込みすぎるのも良くないと思ったのだが、思ったことを言ってみる。

「うん、まあ、元気は元気だけど。色々難しいな。
 あ、お前、柴田に誘われて、のこのこ部屋に行くなよ」

「わ、わかってますよ。柴田さんだってさっきは社交辞令で言っただけでしょうし、行くときは須藤さんと一緒に行きます」

さっきは確かに柴田さんに、今度おいで、と言われたが、話の流れで言われただけで、さすがに本気にはしていない。

「俺と一緒にって・・・・はあ。お前、俺とっていうのはちょっとあれだけど、女の子一人で男の部屋には行くな」

「・・・はい。すみません・・・」

「いや、謝ることないけど、お前みたいなのはすぐ付け込まれるから。気を付けて」

お前みたいなの、って・・どういう意味だろう。ちょっと誘えばホイホイついてくる、という意味だろうか。牧野くんにもそう思われていたことがあるし、否定はできない。

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