拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
須藤さんから送られてきたお店は、紅茶がメインのカフェだった。軽食もあるみたいだが、数多くの紅茶がズラリと並んでいて、とても悩む。メニューと睨めっこをしていると、すぐに須藤さんがやってきた。

「お疲れ様です。車ですか?」

「うん。そこのパーキングに停めた」

何にしますか?とメニューを差し出すと、迷うことなく、アールグレイ、と決めてしまったので、じゃあ、私もそれで、というと、クスっと笑って

「好きなのにしろよ」

そう言いながらメニューを私に差し出してくる。

「どれも美味しそうで、迷います」

じゃあ、お店の人に聞いてみるか、と言いながら、店員さんを呼んでくれる。

フルーティなのがいい、というと、酸味があるもの、甘味があるもの、と色々説明してくれて、結局アップルシナモンを頼むことにした。

「時間かかってすみません」

須藤さんに向かってそう言うと、ニコっと笑って私の頭をポン、と軽く触った。

「久しぶり。何で避けてた?」

急に直球できた・・・。

「・・・避けてません」

「仕事木村に押し付けてまで避けてただろう。お前らしくない」

「・・・押し付けたわけじゃありません」

「途中までお前がやってた案件だろう」

「そうですけど、役割分担したいんです。押し付けたわけじゃありません」

「木村だって、本来はお前がやったほうがスムーズだったって言ってたぞ」

「・・・そうかもしれませんが、私の一存で決めたわけじゃなくて、ちゃんとマネージャーのOKももらってます」

「だとしても、お前らしくない」

「『私らしい』って何ですか?」

「え?」

「いつまでも須藤さんに頼ってることが、私らしいってことですか?」

「なっ、」

「私だって他に案件あります。営業部との調整に時間取られることだってあるんです」

「そんなことわかってる」

「須藤さんに頼って成果上げたって思われたくないんです」

「そんなこと誰も思ってない」

「・・・誰も、ですか?皆に聞いたんですか?」

「何か言われたのか?」

「・・・・別に・・・」

「何があったのか知らないが、自分の案件途中で放り出して人に押し付けるなんて、お前らしくない」

「だから、私らしいってなんですか?」

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