拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
私の頭の中ではさっきからずっと梅田さんの顔がチラついていて、須藤さんの言っていることが理解できない。

「『公認の仲』の人はいいんですか?」

「は?公認?」

「はい。変にけん制されて仕事がやりにくくなるのはもう嫌なので」

「・・・もしかして、梅田さん?」

「・・・・」

「何か言われたのか?」

「・・・いつもいつも、須藤さんに『触れてる』じゃないですか。私はだめで自分はいいんですね」

酔いに任せて言ってしまった・・・が、もう投げやりだった。そもそも須藤さんが急に変なことを言ってくるのが悪い。

無言になってしまった須藤さんの腕を払い、椅子の横に立つと、グラスに残っていたお酒を一気に飲み干す。これ、やっぱり少し濃いかな・・・。喉が少し痛い気がする。田中さん、量を間違えたのかな・・・。

いずれにしても、このままここにいたら、きっと眠ってしまう。フラフラしてきた自覚がある。

「すみません、今日はもう失礼します」

なんとか足を踏ん張りながら、お先に失礼します、と頭を下げる。
田中さんが、満里ちゃん、またね、と声をかけてくれたので、振り返り、軽く会釈してから外に出た。

いいかげんにしろ、と須藤さんが私の肩を掴み、腰に手を回して 俺も帰るから、と一緒に歩き出す。

腰に回わされた手を振りほどき、須藤さんと距離を取る。

「嫌です。帰りません」

「お前、自分が思ってるよりだいぶ酔ってる。今日はもう帰った方がいい」

怒ってるような、言い聞かせるような・・・そんな口調で言ってくる。

「少し休んでから帰ります」

「じゃあ・・駅前のカフェで休むか。歩ける?」

そう言って私の腕を掴んで顔を覗き込んでくる。

ありがとうございます、と言いながら、いつも梅田さんがするように、須藤さんの腕にしがみついた。

驚いたように、おい、と言いかけたが、私と目を合わせ、ふわり、と笑い、に正面に向きを変えて抱きしめてくる。思いのほか力が強くて一瞬息が詰まるが、すぐに体が離れ唇に暖かいものが触れる。キス・・・された?と思った瞬間、またすぐに口づけてくる。さっきのより随分長く、息が続かなくなり須藤さんの胸を押し少しのけぞるように体を反らすが、グイっと力が込められ離れることが許されず、左手で後頭部を固定されて舌が入り込んでくる。

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