40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
「何言って……」
樹さんを……捨てる?
……誰が?
「そんな人、いないに決まってるじゃないですか」
この人は、選ばれた人だ。
容姿も才能も、神様から選ばれたから、与えられた。
それによって、人から選ばれ続けたし、これからもきっと、選ばれ続けるだろう。
一方で私は、選ばれなかった人。
人を惹きつける才能も、容姿も私にはないから。
人間は、生まれながらにして不平等だ。
世界規模で見れば、私なんかの劣等感はミジンコレベルかもしれない。
それでも、思ってしまう。
氷室樹という存在を、知れば知るほど、
好きになればなるほど……。
「樹さんは、ちゃんと選ばれますよ……わ……」
私以外の人に。
そう、言おうと、唇を動かした。
でも、声が出ない。
息だけが、虚しく洩れた。
その時だった。
「俺が選ばれたいのは、君だよ、優花」
樹さんの声が聞こえたかと思うと、顔を無理やり上げられて、唇を彼の唇で塞がれた。
しょっぱい、涙の味がした。
樹さんを……捨てる?
……誰が?
「そんな人、いないに決まってるじゃないですか」
この人は、選ばれた人だ。
容姿も才能も、神様から選ばれたから、与えられた。
それによって、人から選ばれ続けたし、これからもきっと、選ばれ続けるだろう。
一方で私は、選ばれなかった人。
人を惹きつける才能も、容姿も私にはないから。
人間は、生まれながらにして不平等だ。
世界規模で見れば、私なんかの劣等感はミジンコレベルかもしれない。
それでも、思ってしまう。
氷室樹という存在を、知れば知るほど、
好きになればなるほど……。
「樹さんは、ちゃんと選ばれますよ……わ……」
私以外の人に。
そう、言おうと、唇を動かした。
でも、声が出ない。
息だけが、虚しく洩れた。
その時だった。
「俺が選ばれたいのは、君だよ、優花」
樹さんの声が聞こえたかと思うと、顔を無理やり上げられて、唇を彼の唇で塞がれた。
しょっぱい、涙の味がした。