宝物 番外編付き

挨拶 佐山家

お婆ちゃんがパンを会長さんへの手土産用と

丸川さんち用に紙袋に入れてくれた。

お婆ちゃんの方が先に出かけるらしい。


サキ
「くるみ。お婆ちゃん行ってくるから!

会長さんと奥様によろしくお伝えしてね。

戸締りも頼むわね〜。

たぶん帰りは、遅くなるからね。」


くるみ
「うん。わかった。気をつけてね。」

サキ
「は〜い。 じゃあね〜 いってきまーす」

バタン。


お婆ちゃんも出かけたし、私も準備しなきゃ!

バタバタとくるみも用意し始めた。


10時5分前に蓮さんから電話がなる。

くるみ
「はい。もしもし…」


「おはよう くるみ。 

今さ〜マンションの下に着いたよ。」

くるみ
「はい。じゃあ下に降りますから、

待ってて下さい。」


「うん。わかった。」 ピッ!


くるみは、ベランダやキッチンの火の元など

指差し点検をして、ヨシ!


仏壇にヒョイと顔を出して、いってきまーすと

声を掛けて、

お婆ちゃんのメロンパンが入ってる紙袋を持ち

ドアの鍵を閉めて、

エントランスの外へ出るとマンション前の道路に

蓮が黒いピカピカの外車の前に立っていた。
< 94 / 435 >

この作品をシェア

pagetop