地下一階の小宇宙〜店主(仮)と厄介な人達
全く話の噛み合わない母だが、噛み合わせる事は私のようなごく普通の一般的なモラルの持ち主には無理な話だ。


ーーー もういい… 無視しよう… ーーー



「まぁ、私も今は昨日の今日で混乱してるし、その話、、今はいいや。 
自分のこれからの進路とかも色々しっかり考えたいし。 
お母さん、しばらく日本にいるんでしょ?! 近々顔でも見に行くよ!

お父さんの事もたまにはちゃんといたわってあげてよ!!
お母さんの代わりに、っぜ〜んぶ家事自分でしてるんだからね! 」


とりあえず話を終わらせるべくまくし立てた。

宝石の原石に関係ない事にそこまで執着しないであろう母は、電話を切れば、とりあえずこの話はどうでもよくなるだろう。。

切ってしまえばこっちのものだ。



『おっけ、創太郎に言っとく。お父さんの事は任せといて!じゃね、佳乃もがんばって!』



ーーー これまたずいぶんとあっさり… ーーー


「ま、こんなもんか、お母さんだもんね」


ーー この時私は甘く見ていたのだ



久しぶりの母との交流に、警戒心が薄れていたのかもしれない


そう、母は一般的な話の流れの "空気" を読む人ではない。

読めるのは、果てしない鉱山の中の原石の気配だけなのだ。


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