悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!


***


悪役令嬢であるわたくしが、ヒロインのサラ様に初めて会ったのは、13歳の時だ。


貴族の子供が入る貴族学園で見かけた。

クラスは問題が起きないように、ある程度地位の同じもので固まっていたため、サラ様とは別のクラスだった。

当然、滅多に関わることなどない。


だけど、そんなわたくしがサラ様と関わるイベントがあった。


わざと足を掛けて転ばせるという、なんとも幼稚な意地悪――もちろん、リオの記憶にある出来事なのだけれど、わたくしは断罪され冒険者になる未来のため、その通り行動しようと現場である中庭に向かった。


もうすぐ、サラ様が通るはずだ。


その時間に合わせて、わたくしはゆっくりと足を進める。

すると、その記憶通りに後ろからサラ様がお友達と一緒にやってきた。


楽しそうに話しながら歩いてくる彼女たちは、後ろ姿のわたくしが侯爵令嬢だと気づかない。


そのためわたくしを避けて行こうと、すこし道を外れようとした。

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