同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~


相も変わらず、向坂のとなりに陣取る森野芙美。

イライラしながら、それを見るも、何もできないわたし。

わたしの横には佐々木がシュンとして座っている。

「まぁまぁ落ち込みなさんな。」

ポンポンと肩をたたくわたし。

「おまえなぁ…。俺の2年越しの恋を何だと思ってる。」

「わかってるって。けど、仕方ないでしょ。両想いの人を引き離すわけにはいかないんだから。」

白川さんが入社して以来、かなわぬ片思いをしていた佐々木。
先日告白して玉砕したのは知っていたけど…

加瀬とつきあいだしたのを聞いて落ち込んでいるらしい。
ふられたんだからいさぎよく認めればいいものを…。

佐々木は無言でわたしをにらみつけると、テーブルにつっぷした。

「おまえにわかるかぁ。好きな男もいないくせに…仕事命の女がぁ。」

「うるさいわね。わたしだって好きな人くらいいるし。」

「は?」

佐々木がガバっと起き上がった。

「今なんて言った?」

そして前に座っていた森野さんは聞き耳を立てていたのか、今まで向坂にべったりくっついて、向坂の顔しか見てなかったくせに、いきなりこちらを振り向いて、ニタっと嫌な笑みを浮かべた。


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