同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「ちょっとぉ~。それ詳しく聞きたい~。」

うるさい女がいたんだった…。
しかめっ面になりそうなのを耐えて、あえて笑顔で答える。

「やだ。教えない。」

「あら、興味だけ持たせといて、そんなのひどいわよねぇ~。向坂くん。」

また向坂のほうをねっとりと見上げる。
そんな森野さんにムッとしたわたしは結構冷たく言い放った。

「好きな人、他人に言いたくないの。ごめんね。」

「あら、他人に言えないような人ってこと?たとえば既婚者とか?」

「さぁ。どうでもいいこと勝手に推測しないでくれる?」

それでまた明日になったらわたしが不倫してるとかそんな噂まで広めてそうで怖い。

「わたしが不倫してるってうわさ広まってたら誰かのせいよねぇ…。ま、森野さんはそんなことしないわよねぇ?…。」

嫌味たっぷりに上から睨みつけてやった。

だいたいこいつがわたしが結婚するってうわさを広めた張本人に他ならない。
ほんっとに…。この女…。

そしてにこっとこれまた嫌味たっぷりに笑うとわたしは、佐々木とは反対のとなりにいた大西のほうにくるりと向いて、

「から揚げ取って。」

とふてぶてしく唐揚げのお皿を指さした。
大西が苦笑いしながらわたしのお皿に唐揚げを入れてくれた。


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