不純異性交際 -瀬川の場合-

「…えっ?!もしや私なんか変なこと言った?!」


「いや?全然」
紗奈が答えると、コウヘイ君もつられるようにウンウンと頷く。


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水の投入まで終わり、「アクを取りながらしばらく煮込んだら、ルーを入れて完成」と紗奈が言う。

コウヘイ君はすぐさま「川で遊びたい!!」と目を輝かせている。

紗奈が母親のような口調で「もう、しょうがないなぁ…行ってきな」と言うと、「あとで皆も来てねー!」とコウヘイ君は元気に駆け出した。


しばらく3人で他愛もない話をする中で、紗奈は何気なく”あんたたち中学の時も仲良かったけど、今も息ピッタリだよね”とか、”2人があの頃と変わらず仲が良くて嬉しいよ”などと言ってくれて私は嬉しかった。瀬川くんも微笑んでいた。


ルーを溶かし入れて無事にカレーが完成する。

「へぇ~…ほんとに出来るもんなんだな」
瀬川くんが感心したように言うと、「当たり前だよ(笑)」と紗奈が笑った。


私たちも川を見に行こうという事になり向かっていると、テントは既に2つとも張られていて、平野たち火起こし班がギャアギャアと盛り上がりながら楽しんでいる。



その小川はとても浅くて、これなら暖かい時期にキャンプした時は小さな子供もみんなで水遊びが出来そうだ。

コウヘイ君は私たちが来たことが分かると、「サワガニ見つけた!!ちょっとこっちきてみ!」とはしゃいでいる。シュウトが興味津々で駆けつけるとそれを見つけ、ワア!と元気な声を出す。


やがて平野たち火起こし班もやってきて、手に持っている数本のビールや酎ハイを配っている。
まだ夕暮れ時ではあるけれど、私も瀬川くんも缶ビールで乾杯をした。


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日が沈むと肌寒くなり、あたりも暗くなってきたので皆でテント前に集まり火に当たったり、肉や焼きそばを焼いたりして宴が始まった。


コウヘイ君を含む数人が一発芸をやらされたり、シュウトのカラオケや踊りの披露があったりして笑いが耐えない。


3時間ほど経った頃、だいぶお酒も進んで寝始めてしまうメンバーもぽつぽつと出始めると、「寒いしそろそろテントの中に移動して、仕切り直しますか!」と平野が提案する。


紗奈はとても眠かったようで、もうひとつのテントで休むと言って退散していく。綾香ちゃんも、すでに酔っ払って眠っていた。


打って変わってシュウトは元気満々で、飲み直す大人たちのテントへサッちゃんと共にやって来た。

ひとまず大人6人ほどで改めて乾杯していると、シュウトは持参したらしいおえかき帳とクレヨンを持って満面の笑みで私に駆け寄ってくる。


「シュウト!もう…。ミライちゃんごめんねぇ、せっかくのキャンプなのに」

「いーのいーの、サッちゃんこそたまにはゆっくり飲んで楽しみなよ!」

「ほんとありがとう、多分そのうち寝ると思うんだけど…」


私は飲み語らいの邪魔にならないよう、テント内の隅の方でシュウトと寝転がりながらお絵かきを始めた。


子供がいないから親の苦労は分からないけれど、たまにこうして友達の役に立てるのはとても嬉しいし、なにより子供と遊ぶのは楽しい。

サッちゃんも楽しそうにお酒を酌み交わしている。


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怪獣を描いたり、迷路を描いて遊んだりしているうちにシュウトは眠ってしまった。

ブランケットをかけてその可愛い寝顔を見つめていると、私もまぶたが重くなってきた----…


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