不純異性交際 -瀬川の場合-
私はいつの間にか眠っていて、ふと目が覚める。
「今…何時?」
声をひそめて聞くと、平野が「あ、起こしちゃった?今は~…23時だね!」と答える。
みんな眠ってしまったようで、やわらかなランタンの灯りに照らされて平野と瀬川くんが缶ビールなどの後片付けをしているようだった。
隣を見ると幸いシュウトもぐっすり眠っているし、逆側の隅ではサッちゃんも熟睡しているようだった。このまま朝まで寝かしておこうと考えた頃、「消すよー」と平野の合図でランタンの灯りが消えた。
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…ふと隣に気配を感じ振り向くと、瀬川くんが横になって片ひじをつき、こちらを見ているようだった。嬉しくて自然に笑みがこぼれる。
「寒くない?」
とささやかれ、「うん」と答えながら目の覚めきっていない身体をすり寄せる。
瀬川くんは自分がかけていたブランケットを広げ、私を包み込んだ。
なんてあたたかいのだろう。
彼は暗いテントの中で、確かめるように私の頬を触り、あごをそっと持ち上げるとやわらかな唇をくれる。
一度やさしく吸い上げて離したあと、ゆっくりと熱い舌が入ってくる。
2人の熱い吐息が混ざり合い、じっとりと湿った甘美な時間が流れた。
同窓会のあの夜のように、お腹の奥底に疼きを感じて胸が苦しい…
思わず瀬川くんの胸元をぎゅっと掴むと、彼は唇を離してしまう。
もっとしてほしいのに…
もっと、瀬川くんが欲しい…
すると瀬川くんは私の襟元から顔をうずめ、鎖骨のあたりをぺろっ…となめてから優しく吸った。
…チュ…と静かな音がして、私はその快感に思わず熱い息を吐き出す。
「…っっはぁ……」
「…ここ、好きなの?」
鎖骨を指で撫でながら低い声でささやかれると、期待して固く起き出した乳房の先端が欲しがってしまう。
私が頷くと、「本当は…もっとたくさん可愛がりたいけど…」と耳元で瀬川くんは言った。
--ぐぅぐぅと、向こうから誰かの寝息が聞こえる。
「…んっ。」
甘えるように肩に手をまわしてキスをせがむと、瀬川くんはすぐにまた舌を絡ませる。
こんなにいやらしいキスはいつぶりだろう。初めてだろうか。
なめらかな唾液をまとった瀬川くんの舌は私を深い快楽に導いて、下半身には触れてもいないのに果ててしまいそうになる。
ピチャピチャと唾液が混ざる音の間と、2人の静かな吐息がブランケットの中に響く。
ゆっくり離した唇には、ねっとりと糸が引いている。
瀬川くんはぺろりと私の唇を舐め、「お前はほんと…ずるい。」と、余裕がなさそうにつぶやく。

そのキスに、その低い声に、私の秘部は確かめる必要もないほど潤っている事が分かる。
でもここは同級生も眠るテントの中……
私たちは見えないように、ブランケットの中で手をつないで眠った。