僕等はきっと、満たされない。

駅に着いて

彼にメッセージしようとした



〔南口についたよ〕



「晴さんですか?」



送信しようとしたら

長身でTシャツジーンズの男性が

話し掛けてきた



「…はい」



心臓がキューって風船みたいに膨らむ感覚

久しぶり



「宙(そら)です
はじめまして」



想像通りの真面目そうな好青年

想像通りじゃなかったのは

写真よりずっとイイ男だった



普通自分の1番いい写真載せるでしょ

私なんて何回撮り直したか

さすがに加工はしなかったけど



「コンビニあるんで、なんか買いますか?」



彼が指差した方向に歩いた



「冷蔵庫にビールと適当な酎ハイならあります
ワインとか、そーゆーのなくて…」



こーゆー声なんだ

落ち着いてて安心する声



「じゃあ、適当な酎ハイいただきます
あ、適当なおつまみ買ってきました
会社近くのバルなんだけど
結構おいしんだよ」



「オシャレそうなお店ですね
オレ、そーゆーとこ行ったことないから
今度連れて行ってください」



「まだ会ったばっかりなのに
次に会う約束?
私が嫌な女だったらどぉするの?」



「あ、そっか…スミマセン
オレ、初めて会うから、緊張してて…」



「緊張してるの?
そんなふうには見えないよ」



いつもくれるメッセージの印象どおり

軽くもなく固くもなく

話しやすい



黒髪短髪で清潔感があって好印象

なんでもない白いTシャツがよく似合ってた



話しながら歩いてたら

彼のアパートに着いた



3階建ての1階

玄関のドアがキレイな青色だった



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