僕等はきっと、満たされない。

大学4年の春

卒業まであと1年



父親に呼ばれて実家に帰った



「雅、向こうで何しとった?
ずっと帰ってきいひんで…」



約束の4年が近付いてる



「オレ、一度向こうで就職したい」



「何言うてる
約束と違うやろ」



一度就職しても

いずれこっちに帰ってこなければならない



それでも

少しでも晴と一緒にいたかった



その期間が長ければ長いほど

別れる時、辛いのかもしれない



晴を深く傷付けるのかもしれない



でもまだ

晴から離れる準備ができてなかった



「雅
お前は長男なんやから
よう考えたらいい」



長男になりたくてなったわけじゃない



弟は地元の大学に進んで

実家から大学に通ってる



昨日、こっちに帰って来て

駅で女の子と肩を寄せる弟を見掛けた


彼女か…

自由に恋愛できる弟が羨ましかった



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