僕等はきっと、満たされない。

晴と付き合って

5年が経った



「晴、ごめん…
好きな人ができた
別れてほしい」



もちろん

そんなこと本気で思ってない



幾つも台詞を考えて

何度も心の中で練習した



晴は頷かなかった



まだ一緒にいたい気持ちはあっても

父親みたいにはなりたくなかった



晴を愛人としてこの先も愛して

許婚を妻として迎える


そんなの

晴も彼女も幸せにならない



弟だって



ちゃんと晴に

別れを告げなければいけない



オレがいなかったら

弟が継ぐのに…



自分の存在がなかったら

よかったのに…



そしたら

晴にも出会わなかった



晴を傷付けなかった



< 144 / 173 >

この作品をシェア

pagetop