僕等はきっと、満たされない。
ピンポーン…
週末の夜
インターホンの音でアパートのドアを開けた
彼が立ってた
「晴さん…」
彼に呼ばれて
彼の名前を思い出した
「宙くん…」
久しぶりという感覚より
誰だったかな?
に近いぐらい
私は彼を忘れてた
また髪が伸びてた
初めて会った日の短髪の好青年とは
違う人みたい
「突然きて、スミマセン」
「私も今帰ってきたところだから
ちょーどよかった
どーぞ…」
「ここでいいです
…
メッセージしても
ずっと返信ないし…
…
体調悪いのかな…とか…
なんか心配になって…
…
それともオレが
なんか気に触ることしたかな…って…
…
それなら、最後ちゃんと謝りたいな…って」
「あ…ごめん…」
ここ最近
ぜんぜんアプリも開いてなかった
「なんか、ありました?」
「ぜんぜん、宙くんのせいとかじゃなくて…
体調も悪くないし…
心配しなくても大丈夫」
こんな私を心配してくれてたんだ
マッチングアプリで会って
たった数回会っただけの私を
例え私が病気でも
宙くんの事を嫌ったとしても
宙くんには関係ないのに
「お香、焚いてくれたんですね」
「あ、うん…香りする?
お土産、ありがとう」
気付けば
お土産を貰ってから
随分経ってた
「よかった
晴さんに、会えて…」
最後、ちゃんと謝りたいな…
最後…
「じゃあ、オレ…」
もぉ会わないんだ
ずっと放っておいたのは
私だし
会ったらダメ
「うん…じゃあ…」
「晴さん、元気でね…」
「うん、ありがと
宙くんも、元気でね…」
「うん…ありがと…」
バタン…
どうか彼が
また純粋な恋愛ができますように