愛してしまったので離婚してください
「今週末に伝えようと思ってた、今後の治療方針について、今日説明してもいいかな。」
そう言って雅は私の血液検査の結果がでるまで、病室内にいる私を支えてくれるチームのメンバーを紹介してくれた。

「ご迷惑をおかけします。よろしくお願いします。」
紹介をしてもらってから私は横になったまま、頭を下げた。

この人たちの手に私の命も、お腹の子の命も預ける。
「理事長には昔からお世話になっている私たちです。本当に医師としても人としても尊敬できる先生だ。そんな大切な娘さんの命を守るチームに選ばれたことを光栄に思っています。」
「それに、ご主人でもある院長の技術の高さやスキルに私たちは驚きの連続です。一緒にオペできることが医師としての今後の自分の糧になることは確かです。」
理事長とは私の父のことだ。

私は・・・私は幸せだ。
父の娘に生まれることができて、雅と結婚することができて、私は幸せだと実感できた瞬間、私の瞳から涙が溢れた。
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