愛してしまったので離婚してください
食事が終わると、レストランの店員さんがおいしそうなケーキの入ったプレートを持ってきてくれた。

注文した覚えのないケーキの登場に、私が雅をみると、雅はいたずらに微笑みながら胸ポケットから何かを出した。

「え・・・?なに?」
「サプライズ。」

その瞬間思いだす。

ニューヨークでのあの日を。

私が雅に離婚を切り出した、あの日の夜を。

雅は胸ポケットから出した小さな袋を開けて、何かを出すと、いたずらに微笑んだまま私に差し出す。

「つけてくれるか?」
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