愛してしまったので離婚してください
どうしようもなく
午後の病院の予約の前に、今日は買い物をしてから行こうと、早めに仕事を切り上げて私は身支度を始めた。

持っていくバックの中には、母子手帳を大切にしまう。
そして必ず、左手の薬指の指輪を握り、目を閉じて願う。

大丈夫。大丈夫。

そう言えば雅からの連絡がまだない。
ちゃんと何かあった時のために私は携帯電話の番号を雅に離婚届と共に置いてきた。
離婚は成立したのだろうか。

私から確認をしないとならないかもしれない。
でも、役所で書類をもらえばわかることでもある。

雅ももしかしたら連絡する必要はないと思っているのかもしれない。
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