愛してしまったので離婚してください
『その後悔の分も、俺はこれからはちゃんと思ったこと、感じたこと、ちゃんと言葉にして晶に伝える。もう離れない。ずっとそばにいる。実は、晶の両親にも今の状態は伝えてあるんだ。この検査が終わったら、引っ越しの準備をして、藤川病院のそばにあるマンションに引っ越そう。』
「・・・え・・・?」
『俺はもうニューヨークには戻らない。十分経験も知識も積ませてもらった。これからは藤川病院の新しい医院長として医者を続ける。でも、俺にとって大切なのは、一番は病院でも医者でもない。俺は晶の夫であり、お腹の子の父親なんだ。そっちのほうが断然大切で、守りたい。だから、しばらくは晶との時間を優先させてほしいと、お義父さんにお願いしてある。』
私の知らない間に、雅がどれだけいろいろ動いてくれていたのかわからない。

『お義父さんも快諾してくれたよ。その話をしたとき、晶のお義父さんも俺と同じなんだって気づいた。守りたいものの中にもちろん病院もあるけど、それ以上に大切なのはやっぱり家族なんだって。』
こみ上げる涙が、瞳から筋になってこぼれる。

まるで魔法にかけられていた心から、魔法が解かれていくような感覚。

気づかぬうちに縛られていたものから、一気に解放されるような感覚。
< 97 / 251 >

この作品をシェア

pagetop