桜色の歌と君。
千草ちゃんがアイスティーを飲み始めたのを見て、言うなら今だと心を決めて口を開く。

「曲できたの。」

言うと、千草ちゃんの瞳が大きく見開かれ、キラキラとした輝きが宿る。

「すごいすごい!聴きたい!」

「今は歌えないから、歌詞先に見る?」

「うん!見せて!」

私は鞄からノートを取り出すと千草ちゃんに手渡した。

「これ、宮野くんを想った曲?」

読み終わると、千草ちゃんはページに目を落としたまま、つぶやくように言った。

目に涙を浮かべて、優しく、愛おし気な表情をしている。

「うん。」

「すごく、大切なんだね。」

「うん。あのね」

柔らかく微笑む千草ちゃんに、素直な気持ちを分けてもらった気がする。

「私、宮野くんが好きかもしれない。」

周りに同じ高校の生徒がいないことを確認してから、真っすぐに目を見据えてそう伝えると、千草ちゃんは、うれしいような、驚いたような、切ないような、ワクワクしたような、色々な感情を織り交ぜた表情になった。

その様子を見て、急激に恥ずかしくなって顔が熱くなる。
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