桜色の歌と君。
次の日の放課後は、ファミレスの席に座るなりその出来事を千草ちゃんに報告した。

「素敵だねぇ。」

千草ちゃんはうっとりするように目を細めて微笑んだ。

宮野くんが図書室に来ない理由は言わなかったけれど、何も聞いてこないところが千草ちゃんは大人だと思った。

ドリンクバーから飲み物を取ってくると、千草ちゃんは明らかにそわそわとした様子を見せた。

少し躊躇って目を伏せた千草ちゃんの頬は桃色に染まっている。

長いまつげから少し覗く目はキラキラしているように見えるから、きっといい話なのだろうと思った。

「昴さんとね、夏休み遊べることになったよ。」

「え!お、おめでとう!」

食い気味に反応した私に千草ちゃんは顔を上げると、目を合わせて照れたように笑った。

「すごく大きな本屋さんがあるみたいで、そこに連れて行ってもらうの。その近くに素敵なカフェがあって、そこも行こうって。」

幸せそうに微笑む千草ちゃんに、私まで体いっぱいに幸せが溢れるような気分になる。

「小春ちゃんと宮野くんのおかげだよ。本当にありがとう。」

千草ちゃんの言葉に、さらに胸にふわふわとした甘く幸せな気持ちが広がった。
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