ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
「だからって、まさかここで、一緒にお昼ご飯食べるつもりじゃないでしょうね?」
「もちろん、そのつもりですよ。ダンスの振り付けは食った後でしましょうね」
「何言ってるの。教室に帰る!」
「まーまー、そう言わず。ほら、美味しいパンもあることですし」

 茶色い紙袋を見せびらかすようにする新條。

「お弁当があるのにそんなに食べられるわけないじゃん、私を太らせるつもりなの?」
「あのですね、よく聞いてくださいよ。先輩は細すぎます! もっと食べて、太りましょう!」
「ありがた迷惑よ」

「そんなぁ。ここで食べなくても、持って帰って食べてくれればいいですから」
「毒でも入ってるんじゃないの」

 ――何を言われても拒否よ。信用できないし。

「先輩……人間不信にも程がありますよ。毒なんて入ってないですから」
「入ってなくても、いらない」
「そっか、残念だな……」

 ――ホッ……。やっと諦めてくれたようね。

「美味しいって評判のこもれびベーカリーのパンなのに――」

 ――え? 今、こもれびベーカリーって言った?

「こもれびベーカリーって、二時間以上並んでやっと買えるあのこもれびベーカリー?」
「はい。今朝ドラマの撮影で近くに行ったんで寄ったら、並ばずすんなり買えたんです。でも……先輩が食べないならしょうがねーや、隣のクラスの小松にでもあげますよ」
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