ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
「何なんだ、君たち。今までどこに行っていた?」

 先生たちが慌てふためいている。
 真ん中を突っ切ってステージにいる校長へ進む。先頭は新條。その後ろに律や深川さんがいる。

 新條はステージに上がり、理事長のサイン入り許可証を校長に突き出した。

「理事長が許可するってよ」

 驚きと怒りで表情を歪ませわなわなと震える校長。
 しばしの沈黙の後、こう告げられた。

「くっ……。体育祭のダンス曲は……ダイヤモンドガールに正式に決定するッ」
「おおおおおおおおおおおおおッ!」

 全校生徒が立ち上がり歓声を上げる。誰もかれも良い笑顔だ。
 もちろん、律も。隣にいる深川さんと喜び合う。

 一時はどうなることかと思ったけど、良かった。本当に良かった。これでダイヤモンドガールで踊れるんだよね。ダンス係のみんなで協力したからでもあるけど……、新條が頑張ってくれたのが大きいよね。理事長に直訴に行こうって言いだしたのも作戦考えたのも新條だもんなぁ……。
 律がそう思っていると、新條が両手を向けてきた。

「やりましたね」
「うん。やったねっ」

 律は手を出して、ハイタッチする。

 ――あれ。私、新條に対する警戒心が大分薄れてきてるかも?
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