キャラメル頭の君と、1ヶ月の同居ラブ。
『蒼くん。好きです』
何となく気付いてたから、特に驚きもしなかった。
でも、他の人たちみたいに何となくよってきてるんじゃなくて、俺を見てこう言ってくれてるって分かってたから、俺も誠実でいようと思って
『ごめん。俺好きな子いるんだ』
俺は正直にそう言った。
『やっぱり、聞いてくれてありがと。それって綾音だよね? 最後に、握手してくれる?』
綾音を名前で呼び捨てにするような関係だったことに驚いたけど、
するかしないかで気持ちの持ちようも変わるんだろう。
それなら、
『いいよ』
そう思って右手を差し出した」
「え? もしかして綾音の言ういいよってこれ?」
「そうかも……恥ずかしい」
「じゃあ今度は俺の番。すっかり忘れてたけど、あの日綾音が俺から逃げたあと、図書室で男とキスして笑い合ってたのはなに? 綾音みたいな勘違い?」