幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「あ、ありがとう!」



南條くんの手を取ってお礼を言う。

そのことに気が付いたのは、南條くんが頬を染めてからで。

南條くんの頬が赤くなったときには、手を握っていた。



「ご、ごめん!」



慌てて手を離そうとする私。

だけど、それは南條くんによって拒まれて。

次は、私が手を握られている。



「こんなタイミングで言うのは違うと思っているんだけど、」



南條くんが視線を動かす。

そして、握られている手に力が入った、と思った瞬間。

南條くんは私の目をまっすぐに見つめて言った。



「俺、有村さんが好きです。……付き合って欲しい」

「え、」

「突然すぎて困るよね」

「ええ、」



そのあと、私は体育館に響き渡るほどの大きな声で叫んだ。
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