幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「え……」



思わず声が出る。

まさか。

ボールが入るなんて。


口をぽかんと開ける私に、南條くんは私の隣まで駆け寄ってくれる。



「有村さん、すごいじゃん! 球技苦手には見えないよ!」

「えっと……。昨日、少し練習して、」



唯斗くんと春馬くんに付き合ってもらった、とは、口が裂けても言えないけど!



「そうなんだね! ……有村さんって、努力家だよね」

「えっ、そうかな?」

「うん。……俺、そういう子、好きだよ」

「ふえっ⁉」



思わず変な声が出てしまった。

まさか、南條くんから『好き』という言葉が聞けるなんて。

あくまで『努力家の女の子』が好きなんだろうけど。

それでも、嬉しい言葉には変わらない。
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