幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽ちゃん?」

「あっ! おはよう! 春馬くん!」



考えごとをしていたら挨拶するの忘れていたよ。

無視しているみたいになっちゃってごめん、春馬くん。



「昨日、夕飯食べられなくてごめんね」

「あー、大丈夫だよ!」



……そう。

昨日、夕飯を春馬くんの部屋にまでもっていったけれど『いらない』と言われてしまったのだ。

だから、私はチャーハンをもってリビングへと引き返した。

それを見ている唯斗くんの眼力の鋭さといったら……。

ものすごく冷たいものだった。


あれは多分、『まずい飯を春馬に持っていくな』的な感じの目だった。

ひどい。

ちょっと、落ち込んだ。


だけど、春馬くんは全く悪くないので。

私は笑顔で昨日のことはなにもなかったように接する。
< 93 / 345 >

この作品をシェア

pagetop