隣の住人。




到着すると、思いっきり胸を掴まれて起きた。




私を起こす時は、だいたいこれ。

最近、定着してきているけど…何よりも痛い。




力の加減を覚えてほしい。

けど、運転してくれていると思うと文句は言えない。





「着いたよ」

『運転、ありがとう〜』





車から降りると、早速入口方面へ歩いた。

寝起きの私は眠くて、フラフラ気味だった。




手を繋いでエスコートしてくれる感じがカッコよくて、謙人に抱きつきたいくらい。





やっぱり、何度も思うけど私には勿体ない。

だからと言って、誰にもあげないけど…




入場券は、何も言わずに謙人が払ってくれたからパーク内でのお金は私が!と張り切っていた。




『ありがとう、謙人』


と、

キスできない代わりに手を強く握ると、更に強く握ってくれて…返事をしてくれているようだった。





謙人と付き合い始めて財布を出した記憶がないほど、全部謙人に出してもらっている気がする。

いつか、恩返し出来たらいいけど…いつもするタイミングを失って終わる。




絶対、いつか。

いつもありがとう、謙人。







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