隣の住人。





寝ていると謙人がごそごそと布団に入ってくるのがわかった。




「ひな?」

『ん?』


と、薄目を開けると謙人が笑ってキスをしてきた。






もうカッコ良すぎて目が覚める。




『友達帰ったの?』

「寝てる」

『たくさん飲んだ?』

「飲んだ」

『良かったね、明日ひなの事構ってね』

「今じゃだめなの?」

『眠いんだもん、もう謙人も寝よう』




と、

謙人に抱きついて寝ようとすると胸を触られてちょっかいを出された。





可愛いけど、さすがに今はウザイ。

だって、ただの酔っ払いの絡みじゃん。





私は寝たい一心だったから、反応することなく寝たフリをしているとスヤスヤ眠りについた。





こういう時の謙人の触り方が上級者で嫌になる。

無反応で我慢している私の気持ちも考えて欲しいんだが…




それにしても、人を起こして自分が先に寝て、最低なやつ。








次の日




「謙人帰るよ」という友達の声で起きた。




『謙人、起きて〜帰るって』

「あぁ、うん。お疲れ〜」




せめて玄関まで送ってあげればいいのに…眠気に勝てず、布団に入ったまま別れを告げるという最悪なやつ。





仕方なく、私が玄関まで送っていった。




『また来てね』

「起こしてごめんね、またお邪魔します」

「ばいばい〜」

『ばいばい〜』



と、友達達は颯爽と帰って行った。





何だかんだ、目が覚めてしまい、そのまま洗濯機を回したりリビングの片付けをしたりと主婦みたいなことをしていた。



ら…

寝室から「ひな来て」と謙人からの呼び出し。






< 340 / 370 >

この作品をシェア

pagetop