隣の住人。




私は焦って「真希さんって、お友達?」と慶さんに聞くと「瑛人の彼女だよ」と言われた。

とりあえず、瑛人さんが誰だかわからないけど…少しでも疑ってしまった事に焦りを感じて謙人を迎えに車から降りた瞬間だった。






『…謙人』

「先戻ってたの?」

『ぅん』

「あれだけ自分でここねって言っといて忘れるんかい」

『ごめん』

「いいよ」



と、言ってくれたものの…腑に落ちて無さそうで、戻った後も無言だった。









全部、私が悪いから謝るしかないけど…不意に女の子と話してたら不安になる私の気持ちも考えてほしい。



 
気まずいまま車は出発。

謙人は、スマホを触りながら…窓に寄っかかっていた。







前の席には友達がいるから、大々的に喧嘩をしたなんて言えるわけもなく…モヤモヤな時間が続いた。





『謙人』




私は少し勇気を出して謙人を読んだけど…小さくて聞こえなかったみたい。




…聞こえてたけど、無視されてる可能性はある。

小さな勇気が急に弱気になって…私は窓の外を眺めていた。





頭の中は謙人のことでいっぱい。




いつもは車に乗ればすぐに爆睡してしまう私だが、今日は全然寝られず…頭が冴えていくばかり。




考え事が尽きなかった。






「謙人!あと少し運転変わってくんね」

「いいよ」



と、言って…途中で謙人の運転になり、私の隣は大地くんに変わった。





喧嘩してなければ、何も思わないはずなのに…

話せない、隣にいないと思うと不安で泣きそうだった。






そばに謙人がいないだけで私はこうなるらしい。

一年で人はこうも変わるらしい。恐ろしかった。





< 349 / 379 >

この作品をシェア

pagetop