隣の住人。
私は車の持ち主の慶さんを探し始めた。
とりあえず、ソファーにはいないし…台所にもいない。
近くに座っていた女の子に『慶さん、どこにいるかわかる?』と聞くと「最後に見たのはバルコニーかも」と教えてくれてさっそくバルコニーに向かった。
覗いてみると、柵に寄っかかってる慶さんと大地くん。
それに、ベンチに座って話している謙人もいた。
慶さんと大地くんはタバコを吸っていて、謙人は背を向けていたから表情はわからなかった。
この中、話しかけに行くのは気まずすぎる。
けど、スマホがないのはもっと嫌だから…仕方なく。
『慶さん!』と、声をかけたけど…謙人は振り向きもせず、大地くんと話を続けていた。
完全に激怒モードって感じ?
私は来ない方が良かったのかもしれない…
「どうした?」
『スマホ無くしちゃって…車の鍵貸してほしくて』
「一緒に行こうか?」
『1人で大丈夫!』
そう言うと、ベルトについていた車の鍵を外して私に渡してくれた。
『ありがとう』
「気をつけてな」
心配してくれるのは謙人ではなく、慶さんで複雑な心境のまま、向かった。