隣の住人。





バイトの時間に近づけば近づくほど無意識に不安になってたみたいで…謙人に抱きしめられていた。




「大丈夫」

『ありがとう、謙人』

「感謝してね」と自分で言うから2人して笑った。






私の安定剤は健在です。







今日もバイト先に送ってくれたけど…最後に離れられなくて、ぐずぐずしてしまった。




けど、私が離すまで手を繋いでくれて…

最後の最後まで離れたくなかったけど離れないといけないくらいの時間が来てしまい頑張って出勤をした。






やっぱり、菊池さんを見ると手が震えてしまう。





本当に無意識だったみたいで…隣にいた女の子に「大丈夫?」と心配されるほどだった。





『大丈夫』

と、笑顔で言ったつもりだけど、笑えてたかな。






辞めるまでの辛抱と思って頑張るしかない。

私はさっそく今日、辞める意志を伝えるつもり。





一緒のシフトで働いているリーダーに『店長と2人で話したいことがあるので別の時間に休憩させていただいてもいいですか』と手が空いた時に相談した。





「了解」

と、言われて3時間後に休憩に入らせてもらった。





事務室に行って、仕事をしている店長にさっそく話しかけて辞めたいことを伝えた。





『忙しいときにすみません。話たいことがあって…事情があって辞めたいと思っています』

「え、なんで?急すぎて…話が飲み込めてないけど」

『本当に急ですみません。ご迷惑をおかけするのは重々承知なんですが』

「結婚?妊娠でもしたの?」

『いや、そういうのじゃないです』

「あと少し続けてくれたらな〜」

『難しいです。すみません。私の意思も強めです』







ついついこういう話は暗くなってしまいがちだけど…そういう雰囲気が苦手で最後の方はにこやかに話した。




このメンタルでは続けていくのは難しい。




店長には罪はないし、優しくて…

地元に帰る長期休みも理解してくれて本当に感謝している。



自分に甘いだけの話かもしれないけど…菊池さんがいるこの環境で働くのは素直に難しいと思った。






『でも、今月は頑張ります!』

「決定事項なの?寂しいな」

『すみません。』と、頭を下げて謝ったら手を差し伸べて握手してくれた。







『ありがとうございます』

「こちらこそ。そしたら今月はよろしくね」

『はい、もちろんです』





元気よく返事をして、私は仕事に戻った。

辞めます宣言をした後はなんだかスッキリしていた。





とりあえず、来週は実家に帰省するために1週間休みをもらうけど…今月は恩返しするつもりで頑張ります。






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