ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「誰が嘘つきだ!出張が中止になっただけだ。出張行く前に面倒事が起きたせいでな!」

冷ややかな目でこっちを見ていた。
整っている顔のせいで、怒った時の顔は迫力あって、怖いんだよね。

「お前、俺がいなくても平気そうだな」

お、怒ってるし。

「機嫌直してくださいよー。ほら、ピザ食べましょうよ」

「まったく。お前はのんきでいいな」

「なにかあったんですか?」

はい、とコーラをコップに注いであげた。
コーラかよ、という顔をしていたが、そこは無視した。
コーラ早く飲まないと炭酸抜けるんだもん。

「沖重グループの社長を任せた従弟がしばらく休みたいと言ってきた」

「いじめがあったんですか?」

「あるわけないだろ!!女がらみだ」

「えー!なになに?面白いじゃないですか」

「面白くねぇ!宮ノ入(みやのいり)の常務を知ってるだろ?」

「ああ、あの強烈な奥様がいる……」

向こうは私のこと苦手っぽいけど。
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