ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
祖父と孫 ※社長視点※第四弾終了時点
最悪だ。
宮ノ入(みやのいり)会長であるジジイに突然呼ばれた。
仕方がないとはいえ、断れない。
今日は早く帰れると思っていただけに腹が立つ。
有里(ゆり)に電話しないとな」
きっと、一緒に夕飯が食べれず、がっかりするに違いない。
「有里。ジジイに呼ばれたから、夕飯はいらない。悪いな」
『いいですよ。あ、電話切りますね。今からパーティーあるので』
「パーティー!?なんのパーティーだよ!」
『PT』
「お前っ!最悪だな!」
ブツッと切られた。
な、なんだ。
こいつ。
本当に俺のこと好きなのか!?
もっと別れを惜しめよ!
俺の電話はゲーム以下かよ。
正直、女からこんな態度をとられることがないから、戸惑っていた。
直真(なおさだ)、どうした?」
宮ノ入の社長である異母弟が顔を出した。
「い、いえ。瑞生(たまき)様。なんでもありません。会長宅に参りましょうか」
なんとか怒りをこらえた。
覚えてろよ、有里。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「赤字の扇田(おおぎだ)工業立て直しの件ですが、まずは早急に使えない役員を解任し、新しい体制を整えるべきかと」
仁礼木(にれき)は仕事が出来る上、目的を達成するためには手段を選ばない。
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