ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
そこがジジイの気に入るところとなり、重用(ちょうよう)されている。
「ふむ。雅冬(まさと)、お前はどうだ?」
「あー、俺はあんまり工業は得意じゃないな」
孫の中では一番若い雅冬にジジイは甘い。
まあ、宮ノ入の跡取りと思ってないのもあるが。
俺がそんな『得意じゃないな』などと、言った日にはジジイは喜んで『なら、行ってこい』そう言うだろう。
「直真にやらせるか」 
「私には瑞生様の秘書の仕事がありますので」
結局、面倒事は俺かよ。
内心、毒づいた。
ジジイは会長になってからも目を光らせ、気になることがあれば、すぐに呼びつける。
本当に面倒な年寄りだ。
年寄りは盆栽でもしてろよ。
「そういえば、直真。お前の嫁から、なかなか面白いものが送られてきてな」
「は?有里からですか?」
あいつ、ジジイの番号消せって言っただろうが。
「ほれ」
自分の寝顔だった。
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