ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
取引先の関係者のデータをまとめた分厚いファイルを渡すと、大抵の秘書はそれを見て、ひいていたというのに。
薄いと言われた。
そんなはずはない。
しかも、目を輝かせていた。
なんなんだ?あいつは。
極めつけは宮ノ入グループの会長であるクソジシイ、祖父がきた時だ。
エレベーターからずっとにこやかにあのジジイと会話をしながら、社長室に入ってきた。
ジジイのあんな姿は一度たりとも見たことがない。
見合い写真を置いた時もお世辞じゃなく、心からすごいと誉め称えていた。
あの大量の見合い写真の何がすごいんだ?
だいたいジジイは嫌がらせで見合い写真を持ってきているに決まっている。
弟が結婚した今、俺をイジるネタは『結婚』という二文字なわけだ。
それも上から目線で腹が立つ。
隠居したなら黙って近所の年寄り達とゲートボールでもしてろよ。
それにしてもだ。
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