ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「誰が反抗期だ!ぬ、脱がすな!」

替えのパジャマをおいて、ボタンをはずしてあげたのに社長は抵抗を見せた。

「あ、男兄弟でなれているんで。大丈夫ですよ」

「恥じらいがなさすぎる!」

「下も脱がします?」

「やめろ!」

「じゃあ、自分で着替えてください」
「わかった」

社長は素直に頷いた。

「兄弟いるのか」

「そうなんですよ。兄と弟がいて」

「昨日、コンビニで買い物していなかったか?」

「あー、弟です。私のポテチを勝手に食べたんで。一緒に買いに行ったんですよ」

「そうだったのか」

「もしかして。社長は女の人の所から帰ってる途中でした?」

返事がない。
あ、やっぱり。
少し間を置いて言った。

「もう別れた」

「えー?」

「特別な相手じゃないから、まあ、いつでも別れてもよかった」

「付き合うって、特別な相手じゃないと付き合っても楽しくないんじゃないですか」

「楽しくはないな」


素の社長って、とんでもない凶悪な人じゃ。

「なんなら、有里(ゆり)さん。付き合おうか?」

「お断りします」

超特急でお断りしたのだった。
こんな節操のない男と付き合えるかっ!
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