ネトゲ女子は社長の求愛を拒む《宮ノ入シリーズ②》
「それじゃあ、申し訳ないけれど秘書室までお願いできる?」

「はい」  

なんだろう。
席に戻り、バックアップをとってから、パソコンの電源を落とした。
見られてヤバイものはないけど。
念のため。

「ゆ、有里先輩!今の社長の奥様じゃないですか」

「うん。まあ、隣の席だったし、同じ会社だから話してもおかしくないでしょ」  

「えー、そうですけど」

連絡先まで交換して、たまにランチに行く仲とは言わなかった。
めんどくさいし。
騒いでいた若菜ちゃんを置いて、課から出た。
エレベーターで最上階まであがる。
おー、見晴らし最高!
今からボス戦が始まりそう(始まらないけど)
今日のバージョンアップ、楽しみだなあ。
などと、のんきなことを考えていると最上階フロアに着いた。
しーんとしていて、人の気配がない。
えっ!?本当にボス戦くる?なんて、冗談はおいといて。
社長がいるとは思えないくらい静かだ。
< 7 / 135 >

この作品をシェア

pagetop