confused me

-手加減はナシ-

「むっ、強すぎるって優里ー!!」


今のところ、10試合中10敗。一度も勝てていない。
優里は本当にゲームがうまい。

羨ましい。もはや才能だ。

この子にゲームを与えなければ...なんて。


「普通だよ」


「普通じゃないって!」


仕方ないなぁ、なんて言ってもう一試合。
今度は全然さっきよりも弱くて、手加減されていることは一目瞭然。


「むぅ、もういい!やめる!!」


嫌になってコントローラーを床に投げる。
そして、布団にダイブした。

枕に顔を埋める。姿は見えないが、彼女が俺の隣に来たことが、気配でわかった。


「...怒ってます?」


「......別に」


「......拗ねてます?」


「.........別に」


露骨に拗ねた僕の頭を、彼女がそっと撫でた。
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