御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
直真さん?もしかして、この有里さんと呼ばれた人があの八木沢さんの奥様!?
整った顔に冷たい目をした、あの?

「あなたは直真さんに荷物を持たせるの?」

「え?私も持ちますけど。直真さんが持ってくれますね。意外とそういうとこ、気がつくって言うか」

本人はのろけてしまったと思ったらしく、ちょっと恥ずかしそうに笑って言った。

「あ、時間がっ!急いでいるので!失礼します」

有里さんは忙しそうにして、行ってしまった。
八木沢さんの奥様ともなると、やることたくさんあるんだろうな。

「あの、私も夕飯の支度があるので、これで失礼します」

「そ、そう」

有里さんで気勢をそがれたのか、なにも言われず、すんなり通してもらえて、ホッとした。
有里さんもレジ袋を持っていたから、ダメではないみたいだし。
よかった。
なんとか、マンションでやっていけそうな気がしていた。

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