御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
まさか、24歳とは思いもよらなかったが。
だいたいメイクもしないで、ファミレスのアルバイトとか、どうなんだ。
今日なんて、マンションまで来ておきながら、俺に迫ることもなく、帰ろうとしていたからな。
今までの女とは違うのかもしれない。
ちょっと軽いキスしただけなのに逃げられた。
そんなに俺が嫌か!?
あんな態度をとられたのは初めてだ。
また、一緒に出掛けたら楽しいに違いない。

「あ。連絡先、もらわなかったな」

俺としたことが。
女から連絡先を聞かれても、自分から聞いたことがなったからな。
名刺を渡してあるのに連絡すら来ないのには驚いた。
まあ、また海を見に来るだろうから―――
窓の外を眺めながら、そんなことを考えているとインターホンが鳴った。
母親だった。
ドアを開けると、こっちの都合も聞かないで部屋にズカズカと無遠慮に入ってくる。
これだから、同じマンションは嫌なんだ。
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