御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
今までの経験から言って、凛々子が雅冬さんに迫りそうなんです!なんて言えるわけもなく。
デザートの杏仁豆腐をスプーンですくいながら、どうしたものかと、思い悩んでいた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


沖重(おきしげ)グループの社長秘書!?」

「菜々子が?」

帰宅すると、両親に話をしたけれど、半信半疑(はんしんはんぎ)で何度も聞き返された。

「どうしてそうなった?」

「え、えーと。社長からバイト中にスカウトされて」

嘘はついていない。

「秘書が全員、クビになったから人手不足だっただけよ」

凛々子がイライラしながら言った。

「たまたま、その辺にいた菜々子に声をかけただけでしょ」

「なぜか、気に入られてしまって…」

説明しようとしたけれど、凛々子は聞く耳をもたなかった。

「私と間違えたのかしら?」

なぜそうなる!?

「そうかもねぇ」
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