御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「いや、いいよ。なあ、凛々子から聞いたけど」

凛々子?なぜ凛々子の名前が出てくるんだろう。

「菜々子が悪い男と付き合っているって聞いてさ」

「そんなことない!」

「うん、菜々子はそういうだろうって凛々子は言っていたよ」

また何を吹き込んでくれたのだろう。

「やめておけよ」

「だから、悪い人じゃないってば!」

恭くんは単純で人の言葉を信用しやすいところがあった。
だから、凛々子に簡単にだまされてしまったのだけど。

「今だって、男の家から追い出されたんだろ?」

「違うっ!凛々子の言うことは嘘なの。だから、絶対に信じないで!悪い男になんて騙されてない。恭くんこそ、凛々子に騙されないでよ!」

「凛々子に?」

きょとんとした顔をしていた。
遊ばれ、捨てられたというのに恭くんは凛々子のことを疑っていない。

「私は大丈夫だから。恭くんこそ、凛々子に気を付けてね」
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