御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
それだけ、言うとブツッと一方的に電話を切られた。 
なんだったんだろうか。
生存確認かなと思いながら、お昼のメニューを考えていたら、またスマホの着信音が鳴った。

「菜々子。俺。恭平だけど」

「恭くん?」

「ちょっと午後から会えないか?大事な話がある」

「え、でも。今はちょっと」

「悪い男が部屋に閉じ込めているのか?」

雅冬さんを悪い男って……まだ思い込んでるんだ。

「違うよ。風邪をひいてるから休んでいただけ」

「じゃあ、出てこれるな。五時にこないだのファーストフード店で待ってる」

風邪をひいてるって言ったのに呼び出すなんて、強引に感じたけど仕方ない。
まだ悪い男に引っ掛かっていると思い込んでいるようだったから、それを訂正するつもりだった。
凛々子は本当に面倒なことをするんだから。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ファーストフード店に行くと、私を見つけた恭くんは笑顔で手をあげた。
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