魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<駐車場・リセの成育歴>

リセの祖母は魔女だった。
そして薬草の知識が豊富で、
薬の調合をよくしていた。

母親はリセを産むと、すぐに病気で死んだ。

父親はわからない。
一夜の恋・・
ふらりと立ち寄った旅人だったかもしれない。

リセは祖母に育てられ、祖母が亡くなってから、
ずっと・・独りぼっちだ。

祖母は厳しく、きつい物言いの人だったので、
リセは口数が少なく、感情を出さないように育った。

泣いても叱られる、
笑っても<バカにしているのか>と怒られる。

だから、どこでも無口で、目立たないようにしてきた。

ひっそりと、陰にまぎれるように
するスキルは、
護衛に向いているのかもしれない。

魔女である祖母は、よく言っていた。
「魔女は多かれ少なかれ、何か欠けている。

が、それを補うだけでなく、
それ以上の力を持つことができる。」

確かにリセの魔力は強い・・
そして頭もいい・・
知識・技術も取得してきたが

ひと月の1/3は<冬眠>、
つまり寝込んでしまう。
それが彼女の<欠けている部分>

仕事は限られてしまう。
当然、収入も厳しくなる。

<魔女ホルモンの枯渇>問題は、
いつもリセの人生に暗い影を
落とした。
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