エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
図面に従って、机と椅子、演台にマイク、スクリーンなどを設置していく。

途中で主催の責任者だという、スーツ姿の中年男性客が入ってきて、ノートパソコンとプロジェクターを起動させていた。

スクリーンに映写されたのは、『第三十一回世界経済フォーラム』の文字。

(こういうのって興味をそそられる。世界とは広域すぎるから、きっとその回によってスポットを当てる地域を絞るよね。もしくは金融、輸出入、産業などのテーマを設けるのか。参加してみたいな)

うっかり足を止めてしまい、ハッとする。

開始は四十分後。

あと十分ほどすれば受付が始まるかもしれない。

急がなければ。

受付けテーブルがまだ用意されていなかったが、他の従業員も忙しそうなので、瑞希は重たい長テーブルをひとりで抱えた。

両開きのドアを背中で押し開けるようにして、ホールの外へ出ると、誰かの手が長テーブルにかかった。

手を貸そうとしてくれたのだろう。

従業員の制服ではなくネイビースーツを着た腕なので、フォーラムの客だと予想する。

その腕をたどって視線を上げつつ、客に手伝わせるわけにいかないと、瑞希は断ろうとした。

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